MARIが使用するハードウェア構成要素

この記事では、各ハードウェア構成要素がどのようにMARIの動作に影響するのかと、その使用目的について説明します。

 

GPU(スピード&コア数):

GPUはレンダリングを実行する時と結果をテクスチャにベイクする時に使用します。そのため、高速なGPUのほうがより良いフレームレートで重いシーンをレンダリングでき、また、テクスチャにベイクするまでの待ち時間を短縮できます(即ち、Flatten Layers、Merge Layers、Convert Procedural to Paintable)。

 

GPU(メモリ):

一般的に、GPUメモリが大きいほど、より細かくペイントしやすくなります。MariでGPUメモリを占有する2つの大きな要素は次のとおりです。

  • Paint Buffer – もしもGPUメモリが大きければ、ペイントバッファの解像度を高く設定することができます(4kもしくは8kまでも)。そしてビット深度も高く設定できます(8ビットの代わりに16または32ビット)。

    より高解像度なペイントバッファを使用することにより、ズーム、ペイント&ベイクの作業を繰り返し行うことなく、より詳細なペイントを可能にします。ペイントバッファのビット深度が高いほど、特にディスプレイスメントマップにおいてステッピングを防止します。

  • Virtual Texture Atlas – Mariは膨大なテクスチャデータを適合させるのに仮想テクスチャを使用します。しかしながら、そこにはもちろん制限があります。もしMariが全てのデータを適合できない場合、Mariは低解像度のミップマップを使い始めます。

    GPUメモリが大きければ、仮想テクスチャのサイズを大きく設定することで、Mariは非常に重いシーン(たくさんのレイヤー、大量のUDIM、そして多くの断片的なUVビット)をレンダリングすることができます。

 

CPU:

一般的に、手ごろなクアッドコアプロセッサでも十分ですが、ある程度の非GPU操作は、より多くまたは高速なCPUから利益を得られます。Mariにおける非GPU操作の例は以下のとおりです。

  • アンビエントオクルージョンの計算
  • パッチ全体の色引き(bleed)
  • ベイク後のタイルレベルの色引き(bleed)
  • チャンネルのビット深度変更
  • テクスチャの解像度変更

 

RAM:

4GBでも問題ありませんが、特に他の3Dアプリケーションを実行するような場合は、8GBのほうがより安定した操作を行えます。重いシーンで作業したい場合は、RAMが多ければ多いほど良いです。

最終的に、Mariの全てのデータはディスクにキャッシュされます。そのため、もしもRAMが小さくても、Mariは問題なく動作します。より多くのディスクの読み込みが発生することになります。MARIにおけるRAMの主な使用用途は次のとおりです。

  • アプリケーションの一般的なRAM使用(UI、アプリケーションロジック、その他)
  • ディスクからRAMにロードされるテクスチャデータはRAMに留まりますが、LRU (Least Recently Used)方式によってRAMから削除されます。

 

ディスク:

SSDを強く推奨します。Mariの長時間に及ぶ操作は大抵ディスクの書き込みがボトルネックとなります。SSDはディスクに書き込む時間を短縮するのに大いに役立ちます。部分的なデータがCPUかGPUのどちらで処理されるかに関わらず、結果のデータは最終的にディスクに書き込まれます。

とはいえ、プロジェクトが軽ければ(例えば最大4kテクスチャの少数UDIM)、SSDは大きく影響しないでしょう。

Scratch space : The Foundry社はスクラッチスペースで検証を行っていません。おそらくMARIにとってそこまで重要ではないのかと思われます。MARIは、全てのデータをディスクに書き込むにも関わらず、LRU方式で最新のデータをRAMに保管して独自のデータ管理を行います。

 


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