[戦国武将5] MARIを使って描いたDisplacementMapをMUDBOXへコンバートする

こんにちは、越智光進です!

前回はテクスチャリングXYZの素材を使って顔のディテールを描きこむまでをご説明致しました。

今回はさらに顔から下のボディパーツのディテールの描きこみと、完成したらzbrushからのボリュームで作成したDisplacementMapと、MARIで描いた素材を掛け合わせて各種マップをMUDBOXへコンバートする方法をご説明したいと思います。

まずはボディパーツのディテールの描きこみです。
こちらは前回同様素材を作成して、各パーツに合った箇所にImage ManagerからPaint Throughでコラージュしていきます。

ボディもタイリング用のレイヤーを作成して肩、胸、腕、といった各箇所にそれ用の素材を合わせていきます。

Headと同様、素材さえしっかり作成しておけば難しい作業ではありませんし、皮膚の繊維の大きさ等、しっかりリファレンスを確認しつつ注意して描きこんでいきます。
あと、素材のグレーエリアのはみ出しも無いように随時チェックしてください。

※また、ブラシの選択も大切ですがコラージュ作業はエアブラシ系よりも、しっかり描き込めるOpasity100パーセントのブラシを選択する方が境目などの微妙な箇所がボケずに描けるのでおススメです。

 

 

各箇所しっかり描いていきます。↓
境目を気にしながら根気よく描きこんだらひとまず完成です。
最後にはみ出しやおかしな所がないかしっかりチェックしてください。


 

またRGBで分けて素材作成していますので、CopyChannelをレイヤーに入れてRGBごとのマップも確認してください。

RGB画像でチェックで注意する点はPixelAnalyzerを開いてスポイトツールでカラーを選択、HSVのVを見てもらって50パーセントグレーのあたりの数値になってるか?確認してください。
要するにzbrushでいうmid0.5の設定にそっているか?ということなのですが、この数値が離れすぎていると全体の形状が持ち上がりすぎたり凹んだりするので注意が必要です。

このPixel Analyzerでチェックするという確認は非常に重要で、今回に限らずリニアワークフローでのテクスチャーを描く上では各要素のなかの色のパーセンテージを決めるときなどに必ず確認することが多いので、常に画面に出しておくことをお勧めします。
フォトショップでいう情報タグです。

 

すべて確認しましたら、上記の各チャンネルを分けてOutPutします。
今回Displacementで使用するのはRGチャンネルなので、各種要素名を決めてエスクポートします。

 

 


-MUDBOXでのコンバート作業-

 

MARIで2つの要素を出力したら、zbrushから書き出したDisplacementMapをMUDBOXで掛け合わせます。

DisplacementMapの使い道なのですが、いくつか方法がございます。

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①MARIで2つの要素とzbrushから吐き出したDisplacementMapを直接MAYA内のノードに繋げる方法

②MARIの2つの要素をzbrush内でレイヤーとして掛け合わせる方法

③MUDBOX内で各要素を掛け合わせてVectorDisplacementMapとして出力する方法

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①の方法はカメラが皮膚の繊維が見えるくらい寄る場合、直接MARIから吐き出したマップをDisplacementMapとしてノードを組んでvrayDisplacementに持って行く方法です。正直見栄えを重視するならこちらが一番お勧めでもあります。
ですが、zbrushから出したDisplacementと、MARIから出したDisplacementMap2種類の計3種類のDisplacementをノードにさす事になり、レンダリング時間が膨大に増えるといったデメリットもございます。
サーバーや、モンスターマシンでない限りはローカルで回さない方がいいかと思います。

 

②の方法はかなり一般的なのですが、zbrushのVecterDisplacementMapの吐き出しは推奨されていません。私も散々検証しましたが、UDIMをつかったオブジェクトになるとどうしても結果がでませんでした。NomalDisplacementならまだ大丈夫です。
あとはリアルタイム用のノーマルマップを吐き出す際などはこちらで掛け合わせ、xNomalでベイクさせる方法で使われると思います。

③はMUDBOX内ですべての要素を掛け合わせるのですが、MUDBOXを使用する理由は、VectorDisplacementMapで吐き出せる事と、サブディビジョンのアルゴリズムがMAYAと同じですので、UVのseamに差が出ないという事です。
映像用のクオリティを追求するならお勧めの方法だと思います。

 

今回③の方法でマップを出力していきますが、
まず最初にMUDBOXで掛け合わせる前にする作業としては、MARIからのファイル名が1001からのUDIMですので、こちらの語尾を_u1_v1からのMUDBOX用のUDIMに書き換える必要があります。

書き換える際のUDIMの変換コードは以下になります。

※UDIMは縦並びは上限ありませんが、横並びは10枚までしか作成することはできませんのでご注意ください。

 

 

また、以前も説明しましたが、ボリュームスカルプトが完成した段階でzbrushからもDisplacementMapを書き出しておきます。

※zbrushからのDisplacementMapの吐き出し方については大切なルールもありますので、次回ご説明いたします。


ここからMUDBOXでの作業です。

書き換えましたら
先ずはMUDBOXから使用するローモデルをインポートします。
インポートしたら、Duplicateして、ローモデル用とハイモデル用で分けておきます。

 

ハイモデル用のオブジェクトをshiftDを押して任意のポリ数までdivideします。
ポリ数を増やしたらまずはzbrushからのボリュームスカルプトのDisplacementMapをSculptUsingMapを使って読み込みます。

 


次にMARIからのRG要素を、読み込みます。
このときオフセットは、0.5にしてください。

MARIからの素材は読み込んだらレイヤータブのDisplacement設定の数値を、「0.5~1.5」程度にしてディテールの細かさを表現させます。
各種設定を決めたら、3つの各種要素が重なって人体のディテールまでが出来上がります。
Rチャンネルは高め、Gチャンネルは弱めにすると程よい見栄えになると思います。

 

 

最後に必要な箇所をMUDBOX内でスカルプトして完成させます。


完成したスカルプトを、VectorDisplacementMapで書き出しましてMAYAで同じモデルを開き、vray Displacementで設定していきますが、、長くなりそうですので今週はここまでにいたします。

 

 

今週はレンダリングまで説明出来ず申し訳ありませんが、
次回は、大切なDisplacementMapの設定の仕方と、レンダリングまでご説明いたします。

読んでいただきまして、ありがとうございました!