[戦国武将7] 鎧のモデリングPart1 -兜とマスクを制作する-

こんにちは、越智光進です。

 

制作のため少し日が開いてしまいましたが、引き続きブログを書いてまいります。

前回までは人体をゼロから作るというテーマで戦国武将の武田信玄の制作過程を説明してまいりました。
今回からはジャンルに分けて鎧の制作、着物類の制作という2つのアプローチを説明してまいります。

 

 

 

鎧の制作は主に、MAYA、zbrushを中心に、
着物の制作は、MurvelousDesigner、MAYAが中心になりますが、
まずは鎧の制作第1回目として兜の制作までを説明してまいります。

 

入りとして、武田信玄という過去に実在した人物を作っているので鎧、着物は自由な発想で作ってはいけないという事もあり、しっかりとした資料を探さないといけません。
制作の冒頭で少し話しましたが、高解像度の細かい資料があればあるほど作りやすく迷いも少なくなります。
制作にあたり、鎧、着物はやはり実際着てみないと何もわからないと思いましたので忠実に再現された信玄の鎧を丸竹産業さんからリース、自分で着付をしてみて撮影を行うことで少しでも制作の迷いをなくす方向で考えました。

 


 

素材集めはやはり足を使う方が個人的には納得がいきますし、仕事等で制作をする際はネットから拾った素材は必ずストップがかかる事が多いです、著作の問題上当然なのですが、
フリー素材をガンガン使うのは控えるように心がけています。プロシージャルな素材を探すという意味ではPoliigonやCGtexture等、とても役に立ちますが、
今回のような実在した物を作ると言った場合はより実物感を求められますので自分で資料のある場所へ出向いて調べることが一番の策だと思っています。
後は生い立ちを読んだり、資料館に出向いたりと、どんな戦をしたのか?等把握しておくべきだと思いました。

 

と、偉そうにうんちくを語っていますが^^;、、、うまく出来る出来ないは別にしても、物作りの考え方として結構大切な事だと思っております。

 


というわけで、まずは鎧の中の「兜」から作成してまいります。
撮影した画像を見ながらまた着付けの順番なども確認しながら出来る限り忠実に再現していきます。

鎧もゼロから作っていくのですがまずは素材を眺め、単体として作らなければいけないオブジェクトと、流用出来るオブジェクトをリストアップします。

・鎧の大まかな外観(まびさし、吹き返し等)
・前立ち(金の紋章)
・お面

を単体として作成、

・その周りに付いている星形の細かい金パーツと鉄製のパーツ
・紐の種類が4種類程

はUV別でモデル流用できるオブジェクト
とリストアップしていきます。

 

 

悩んだのは紐の類ですが、鎧の間にいくつも張り巡らされていてとても一つ一つ別々に作るのは至難の技です。
種類をたくさん作ってそれをうまく使っていくという選択を取らないと終わらないなぁ、という判断をしました。
本当は一つ一つ別々で作りたいのですが数えたら1000を超えそうでしたのでここだけは時間の関係もあり仕方ないと考えました。

ではまずは大きな外観を顔の周りにMAYAで作成していきます。


 

バランスは上のように撮った写真を板ポリに貼り付けて位置関係を図るとても作りやすいと思います。
※カメラのパースも出来る限りは近くなるように合わせてください。↑

 

鎧はハード系の制作ですが、大切なことは形をしっかり取ることと、エッジの割り込みです。
特にサポートエッジの割り込みは感覚でエッジを分割してる人をよく見かけることがありますが、それぞれエッジが立つところのスペキュラーの入り具合がどんなものか?
パーツパーツで違ったりするので見極めることが大切です。
要するにベベルの設定ということになるのですが、頻繁にスムースプレビューや、レンダリングをしながら確認すると良いと思います。↓

 

 


 

次に鎧の周りに巡らされている紐を作成します。
こちらは太めの紐はDisplacemant、細めの細かい紐はNormalのみで表現していきます。
素材を観ると細かい編み込みが連なってできていますので、zbrushのラディアス機能を使ってベースとなる紐の形を作成していきます。↓

 

 

何種類か作成したらUVの取られたシリンダープリミティブをプロジェクトし、DisplacemantMapとNormalMapを吐き出します。
それをフォトショップで加工しスクロールをかけて左右が連なるテスクチャーを作ります。↓

 

 

作成したら紐のDisplacementMapを各箇所に配置したモデルにアサインして流用させます。
全て流用は見た目に影響するので最低でも一緒類5パターンくらいの形の変化かある紐を用意してイレギュラー感をだします、また、汚しなどのピンポイントの見た目を決める箇所は別のUVとして持たせて視覚的な安定を図ります。↓

 

 

紐を鎧に当てはめましたらbend機能を使って丸めます。↓

 

 

あとは各パーツのイレギュラー感をさらに出すためにzbrushにオブジェクトを持っていき、ムーブ等で動かしたり回転させたりして整った形状を崩していきます。↓

※faceの形が崩れすぎないように気を付けます。
※鎧のようなオブジェクトが多い場合はGOZよりもFBXでインポートエクスポートする方がエラーもなく便利です。

 


 

上記内容を繰り返し、まびさしや吹き返しといったパーツも同様に仕上げていきます。↓

 


 

てっぺんの前立てやお面はスカルプトで作り、DisplacementMapとNormalMapを作成、配置します。
このようなモーションに影響のないオブジェクトのローモデルはZRemesherでスパイラルしないように形状を出して、軽くリトポするくらいで十分使えますので作業コストを極力抑えます。↓

 


 

全体のシルエットが完成したら最後に頭部にはめ込んで位置合わせとお面を被せて紐を作成し着付けをしてあげます。
お面を覆う紐はいろいろなやり方があると思いますが、私の場合はzbrushのinsertブラシで紐を簡単に縫い付け、
ZRemesherでローモデルに落としたらMAYA上でエッジをカーブに変換→カーブの形を整えたらそのカーブをパスにしてNURBSのチューブを作成→最後にポリゴンに変換するという流れで作成しています。↓

 


 

あとはお面と兜の頭部から生えている毛をFiberMeshでラフを作成、全体の形を整えて兜のモデルを完成させました。
※FiberMeshはsegmentの数値に限界があるのでポリポリに見えるのですが、肌の毛と同様にカーブに変換してhairツールのベースとして使うので現状配置確認の段階です。

 

 

 

 

これ以上の細かい傷や凹凸はテスクチャーを描いた後にその素材をつかってノーマル化させてテクスチャー同士でcombineして合わせていきます。

鎧が一部でも完成し、形になると制作自体が楽しくなってくるのですが甲冑等の制作は、出来る限りは二度手間にならないように感覚で作るのではなく計画的に機能性なども見ながら作っていくことがとても大切です。
最初に作るものをリストアップして一番作るのが大変な小物類から作成しておくと結構ゆとりを持って作ることが出来るので私はおススメしています。
BGを作ったりするときも先に建物以外の配置物を作ったりしておくと後々楽に作業が進むことが多いです。

またブログ内ではアップはしていませんし繰り返しになりますが、できる限りレンダリングしながら形状を確認して見た目のバランスを整えながら作業することをお勧めいたします。

 

 

 

次回はセミナーにて今回作成しています内容にテクスチャーを貼っていく工程をご説明いたします。

 

読んでいただきましてありがとうございました!