[戦国武将15] 武器のモデリング -刀・小太刀・軍配旗を作成する-

こんにちは!越智光進です。

前回まででほぼモデルの原型が完成しました。
なかなか制作時間が持てず予想以上に長くかかってしまいましたが、モデリングの最後として武器や軍配旗も先に作成しておきます。

作成するのは武田信玄が愛用していたと言われる、来國長という刀と、小太刀です。
また、合戦の際に持っていたとされる軍配旗もおまけで作ります。
(軍配旗に関しましては別途資料から作成します)↓

 


 

作成の仕方に関しては今までご説明した方法とほぼと変わりません。
MAYAでベースを作成して、必要ならZbrushへ持っていきレリーフの作成と形状の調整を加えていく、という流れです。

今までの大変だった作業と比べると簡単そうに思えるのですが、装飾や、紐でくくられている箇所もあり決して簡単に出来る内容ではないです。
特にレリーフの形状を作成する箇所が多く、かなり手間がかかる内容です。

まずはリファレンスをしっかり確認して大まかな形状を作成します。↓

 

手順としましては、
いきなり最終的な曲げた形状を作ると配置や紐の取り付けが厄介になるので、まずはまっすぐな形状を作り最後に曲げるという流れで作成します。↓

 

 

MAYAでのシルエット作成が完成したら、先にUV展開をします。↓

 


 

次に今回1番難しいであろうレリーフの作成です。
個人的にこういうレリーフを作るのが好きなので私は苦ではないのですが、レリーフを掘るのも以前鎖帷子の制作で少し話しました。
基本ベースはフォトショップやイラストレーターでマスクを作成してZbrushのなかのInfrateで押し出す方法を主に使っています。
使用するマスクが綺麗に描けるかが全てになります。↓

 

 

フォトショップで作成する場合はパスカーブを引くか、私の場合はある程度は手描きで対応して最後にイラストレーターに持っていき、トレースの処理を施したりしてレリーフのシルエットを綺麗に整えたりしています。
最初は自由な箇所に描いても構いませんが、最後に必ずUV上に配置してください。
また必ず16bit以上で描くことと、できるなら使用されるテクスチャーの倍の解像度で描いておくことをお勧めします。今回は4kで貼りますので8kで描きました。
※最終的に保存する際はモードはグレースケールに落としてください。↓

 

イラストレーターでシルエットのトレースを加えてちょっとしたブレを補正します。↑

 

完成したらレリーフを入れるパーツをZbrushにGOZをしてsdivをもたせ、描いたマスクテクスチャーをインポートします。
インポートしたらMask By IntensityでマスキングをしてInfrateをかけレリーフのシルエットを押し出します。↓

 

形状は計算して作られた綺麗な彫刻のような形状というよりは印を押したようなすこし手作り感を残しています。

レリーフを押し出す際はできるだけ各単体のオブジェクトで作成したほうがピクソルがボケないのと、
もし単体にしてもピクソルがボケる場合はレリーフがある箇所のみのモデルをGOZし、できるだけポリゴン数を稼ぐことがとても大切です。↓
また、レリーフ以外の箇所はスカルプトはマスクを反転させて処理します。

 

 

この作業を全てのレリーフ箇所に施します。↓

 

スカルプトの処理が完成したら、DisplacementMapを書き出しVrayで設定を加えてレンダリング確認をします。↓

※他にやり方としてはZAppLinkやSpotLightツールでで直接マスクを描いたりする方法もありますが、どうしても上下左右の回り込みの箇所へのマスクがつながらず面倒なためレリーフ作成の場合はあまりおすすめはしません。

 


 

あとは持ち手の結び目の作成です。
こちらは

複雑な形状でもないので、普通にMAYA上で作成してデュプリケートして作成してもいいですし、ZbrushのCurveStrapSnapブラシでなぞりながら作成してもいいと思います。

今回はMAYA上で作成しました。↓

完成したらUVを取って配置しておきます。

 

 

これで全てのパーツの作成が完成したので、最後に少しだけBendとlattice BOXで湾曲させます。

 

レンダリングしてスケール感など形状確認します。↓

 

 


 

あとは簡単に軍配旗を作成します。

 

こちらはそんなに難しくありませんのでMAYAのみで作成しました。
大まかな形状を作成しても押し出し、サポートエッジを足しながら手早く完成させます。↓

 

これで付属系のモデルも完成しました!

 

※テクスチャーや質感などはまだざっくり調整しただけですのでこの後MARIで描きながらさらに質感を詰めていきます。

 


 

次回は全てのUVを取りUDIMの配置をしていきますが、簡単にUV展開のご説明をいたします。

読んでいただきましてありがとうございました!