Foundry社より、Mari 3.3 がリリースされました!

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MARI 3.3v1がリリースされました!

リリース情報は以下よりご覧ください。

パフォーマンスとテクスチャ管理の最適化

Mari 3.3の最適化された機能を使用して、より高速で快適な3Dペイントをお楽しみください。

Mari 3.3 – Performance Optimizations

こちらの動画ではMari 3.3に新たに導入されたパフォーマンスの最適化についてご説明しています。

  • Shader Recompilation機能 – より高速なシェーダの再コンパイルを用いることで、ペイントやレイヤー編集の操作から最終シェーダーが表示されるまでの待ち時間を短くしました。
  • 色空間ベイク – これまでCPUで計算されていた色空間のトランスフォームはGPUで計算されるようになり、エクスポートの速度を大幅に上げます。
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Mari 3.2 Mari 3.3
  • テクスチャ管理の最適化 – グラフィックスの容量制限を気にすることなく非常に複雑な操作が行えるようになりました。

Marquee Lift Action機能

既にモデルにベイクされたペイントを更に編集したいと思ったことはありますか?今回のバージョンでは、ベイク済みのペイントをペイントバッファに戻すための新しい方法が導入されました。単純にMarquee選択を定義して、新しいLift Actionを使用して指定範囲をペイントバッファにリフトします。ペイントバッファ上に置かれたペイントは、一般的なペイントツール(Warp、Slerp、Pinなど)で自由に編集することができます。また、リフトしたペイントは、編集後、新しいレイヤーにベイクし直すことも可能です。

Mari 3.3 – Marquee Lift Action Tool

実際の操作については、こちらの動画でMarquee Lift Actionツールの使用方法をご説明しています。このツールを使用することで、既にベイクされたペイントをオブジェクトからリフトして、ペイントバッファで更なる操作および編集が行えます。

Mari 3.3 リリース概要

Mari 3.3は、重要なバグ修正に加えて劇的なパフォーマンスとワークフローの改善をもたらす「ポイント」リリースです。Shader Recompilation、色空間ベイクの改善、テクスチャ管理の最適化はパフォーマンスを大幅に向上させて、新しいMarquee Lift Actionツールはアーティストに複雑なプロジェクトでも作業できるよう柔軟性を提供します。

  • Mari 3.3はパフォーマンスとワークフローを改善し、アーティストの生産性を最大限にするために構築されました。
  • Mari 3.3へアップデートして、パフォーマンスとワークフローの改善をご活用ください。
  • 既存および新規のユーザーにとって、Mari 3.3はMari 3のベストバージョンです。

昨今の壮大なVFX、アニメーション、ゲーム制作で高品質なコンテンツを作成する必要があるアーティストにとって、Mariは強力で使いやすい3Dペイントソリューションです。複雑さを軽快に処理し、ハイレベルのリアリズムをを作り上げるために強力なシステムの制作環境を提供します。他の3Dペイントツールとは異なり、Foundry社製品はユーザーが解像度やパフォーマンス、パイプラインとの統合において制限を気にしないですむ安心感を与えます。

MARI 3.3 その他の新機能と改善

Shader Recompilation機能 (機能強化)

特定の反復タスクを実行するとき、アクションの実行から最終レンダリングシェーダを表示するまでの待ち時間を減らすために、必要とされていた再コンパイル(スピニングホイール)を少なくしました。詳細についてはMariオンラインヘルプのMari Preferences Dialogセクション下のGPU > General > Shader Compilationをご覧ください。

【現状】
レイヤーやノードの配置変更、プロシージャルの追加、その他の一般的なタスクは、Mariがアーティストの手を止めたり作業の妨げになる原因になりかねませんでした。ハイエンドのユーザーにとって、この作業は長時間かかることもあります。多くのユーザーにとってこれはMARIに対する大きな不満となります。

【機能の利点】
処理の間の待ち時間を減らすことで、生産性の向上(および不満の解消)に繋がります。

【機能説明】
Shader Recompilationは、ペイント/レイヤー編集から最終シェーダを表示するまでの待ち時間を減らし、コンパイル時間を少なくした新しいシェーダタイプです。

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Mari Preferences ダイアログ

【説明】

⇒ Mari Preferences > GPUタブ > General > Shader Compilation ドロップダウンメニュー

GLSLシェーダプログラムをコンパイルする方法を指定します。

  • Legacy – 従来のOpenGL技術を使用してOptimizedストラテジーを使用してシェーダをコンパイルします。これはMari 3.3v1以前のバージョンで使われていた方法と同じです。
  • Dynamic – 低頻度でより速くシェーダをコンパイルします。このストラテジーはFPSを低下させる可能性があります。
  • Optimized – 高頻度かつ低速度でシェーダをコンパイルします。このストラテジーはFPSを上昇させる可能性があります。
  • Automatic – Optimizedのコンパイル中にDynamicシェーダを使用します。

色空間ベイクの最適化 (機能強化)

ペイントをより速くベイクしディスクに書き込むため、いくつかの色空間トランスフォームがMariに導入されました。詳細はMariオンラインヘルプのMari Preferences Dialogセクション下のData > Channels > Export Transformをご覧ください。

【現状】
色管理の最初のバージョン(3.0でリリース)では、ペイントをベイクする全ての色空間トランスフォームをCPUで計算する必要があり、純粋なGPU処理と比べると非常に低速度でした。これにより、3.0における多くの処理は2.6よりも遅くなり、多くのユーザーが2.6に切り替えたり3.0にアップデートしない結果となりました。

【機能の利点】
GPUで色空間のトランスフォームを実行することで、ベイクの待ち時間を劇的に減らし、アーティストの生産性を向上します。

【機能説明】
色空間ベイクの最適化は全ての色空間トランスフォームをGPUで実行するオプションを提供し、ペイントをディスクにベイクする処理速度を改善します。

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Mari Preferences ダイアログ

【説明】

⇒ Mari Preferences > Dataタブ > Channels > Export Transform ドロップダウンメニュー

エクスポート時にフラット化とベイクを実行するときに使用する色空間のトランスフォーム方法を指定します。

  • Accurate – 全ての色空間トランスフォームはCPUで行われます。この方法は数学的に正確な結果を生み出しますが、エクスポート速度を低下させる可能性があります。
  • Fast – 全ての色空間トランスフォームはGPUで行われます。この方法はエクスポート処理を最速で行いますが、一部の場合においては計算によってエラーが生じることがあります。これにより、本来の結果の近似値となります。
  • Automatic – CPUまたはGPUのどちらを使用するかどうかは、色空間トランスフォーム自体の正確さを基にケースバイケースで判断されます。

領域選択(Marquee Select)ツールのリフトアクション (新機能)

マーキー選択の実行後、現在のペイントターゲットからペイントバッファへテクスチャをリフトして、その領域に対する更なるペイント操作が行えるようになりました。詳細についてはMariオンラインヘルプのTool Properties Paletteセクション下のMarquee Select Tool > Lift Marquee Selectionをご覧ください。

【現状】
以前のバージョンのMariには、ベイクされたペイントをペイントバッファにコピーして更なる編集を行う方法がありませんでした。

【機能の利点】
新しいLift Actionは、オブジェクトに既にベイクされたペイントをリフトしてペイントバッファの中で更なる操作や編集を可能にし、ペイント作業をより柔軟にします。

【機能説明】
Lift Actionはマーキーツールの一部であり、領域選択を定義したら、その領域からペイントをリフトし、ペイントバッファの中で更なる操作を行うことが可能です。

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Marquee Select Tool

 

テクスチャ管理の最適化 (機能強化)

MariはGPUテクスチャユニットをより効率的に使用するようになりました。

【現状】
一部のOSやハードウェアの組み合わせによっては、Mariは容量が最大限になる前に処理の限界に達することがあります。これは特にMac OS Xユーザーにとって大きな問題となっていました。

【機能の利点】
グラフィックスの容量制限を気にすることなく複雑なプロジェクトの生産性を向上させることができます。

【機能説明】
Mariのテクスチャ管理の最適化は、複数のテクスチャを一つの最適化ユニットに統合します。

ノードグラフでBake Pointノードをベイクする

今回のバージョンより、まだベイクされていない、もしくはベイク時のデータが古くなったBake Pointノードをノードグラフの中で直接ベイクできるようになりました。この操作はノードグラフ上で右クリックして、Edit > Bake Points > Bake Empty and Update Out-ofDate Bake Pointsを選択することで行えます。

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ノードグラフ

その他の機能改善

  • ノードグラフで変更した選択が反映されるようUVビューをアップデートしました。
  • これまでのバージョンでは、Locator listアトリビュートを使用するノードが常に選択したロケータに関連付いていました。今回のバージョンより、空または削除されたロケータ用にLocator listアトリビュートに独自のトランスフォームコントロールが付きます。
  • ChannelLayerパレットのアイコンを改良しました。
mari33_image5.pngMari 3.2のChannelとLayerパレット
mari33_image6.pngMari 3.3のChannelとLayerパレット
  • 環境ライトのキャッシュにアーティストの環境情報を含むようアップデートされました。これにより必要時にアーティストのマシンにおける正しい環境ライトのキャッシュを確実に再生成するようになりました。
  • mGoにMaya用の追加の色空間オプションが付きました。

ダウンロードについて

今回のリリースではキャンバスへのレンダリング用に転送される前のシェーダのコンパイルに重点を置いています。これらの変更の結果、シェーダの再コンパイルによるスピニングホイール(待ち時間)の発生が削減されました。

これらの変更を適用するためにいくつかの最先端な技術を利用しましたので、Nvidiaユーザーはグラフィックスドライバのバージョンを378.xxにアップグレードしていただくことを強くお勧めします。ドライバをアップグレードできないユーザーは、起こりうるパフォーマンス問題等を回避するため、プリファレンスにLegacyというプションを追加しています。

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最新のグラフィックスドライバが適用されていないと警告メッセージが表示されます。

 

改善についてのすべての詳細につきましては、リリースノート(英語PDF)をご覧ください。

いますぐ Mari 3.3 をダウンロード

現在メンテナンスをご契約いただいているユーザーの方は、MARI 3.3 をご使用いただけます。

メンテナンス更新をご希望のお客様は、こちらまでご連絡ください。

それでは、Mari をお楽しみください!

 

Mari はThe Foundry Visionmongers Ltd の商標または登録商標です。
他のすべてのブランド名、製品名、および商標はそれぞれの所有者に帰属します。

Mari について

MARIは、大規模なプロジェクトに対応できる創造的なテクスチャペインティングツールです。MARIには、多くの2Dペイント系ソフトウエアでは到達しえない創造的なツールセットを搭載しており、アーティストがペイント作業に専念することが可能です。MARIのインターフェースは 非常に反応が良く、軽快にペイント作業が進められます。3Dモデルに直接ペイントし、その結果をその場ですぐに確認することができます。また、制作時間を短縮し、今まで不可能とされていたテクスチャ制作を可能にします。

現在の挑戦的なVFX、アニメーション、ゲーム制作で高品質なコンテンツを作成する必要があるアーティストにとって、Mariは強力で使いやすい3Dペイントソリューションです。複雑さを軽快に処理し、高レベルのリアリズムをを作り上げるためにユーザーに強力なシステムのツールを提供します。Substance Painter、Mudbox、3D Coat、Quixelと異なり、Foundry社製品はユーザーが解像度やパフォーマンス、パイプラインとの統合において限界に遭遇しない自信を与えます。

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