こんにちは、越智光進です!
6月がどうしても実作業ができず少し時間が空いてしまいました。
今回から鎧の制作に戻ります。前回までは兜の制作を一度説明しましたが、今回は2回目ということで鎖帷子のパーツを制作していきます。
まず、鎖帷子パーツはリファレンスを見らってもわかるように非常に細かい作業や計画性をもって作っていかないと落とし穴もあったりするので注意が必要です。
ある意味モデリングの中で一番めんどくさいなぁ、、と思うのですがここをクリアすれば山場は越えるので頑張って制作していきます!
まず、リファレンスから、どのようなパーツが必要なのか選定しますが、今回のパーツが鎖帷子の中につなぎ合わさっていることから、穴の数やパーツの数、スケールなど先に考えて予測を立てておきます。↑
まずは鎖帷子のみのパーツから作成していきます。
鎖帷子は見るだけでもどうしようと迷ってしまいそうで、昔だったらMAYA上で一つ一つ繋ぎ合わせていったりと細かいパーツなどの配置はとても大変な作業でもありました。
(むしろモデルが重くなりすぎて鎖帷子のようなパーツはマスクで切ったりしていました。今ではあまり考えられないですが、、)
今回はzbrushのナノメッシュを活用して鎖帷子をつなぎ合わせていきます。
まずはIMMブラシ用の鎖帷子のパーツを一つ作成しUVをとり、zbrushへGOZします↓
同時にこの作成した鎖帷子の1パーツがローモデルの1フェイスにハマると想定して、パーツ用のベースモデルを再構築します。
この作業が今回のキーポイントですが、できるだけ正方形であることが望ましいです。
※ベースはリメッシャーで作成して、形がおかしな所はリトポする方法が一番早いと思います。↓
作成しましたベースモデルもGOZします。
二つのパーツ柄が揃ったらzbrushのIMMブラシを作成し、CreateNanoMeshの機能を使ってフェイス単位で鎖帷子のパーツをInsertします。↓
※この時均等な箇所に形状を生み出すのが難しい場合は再度リトポをして調子を整えてください。↑
Insertして整ったら onetomesh、ベースのモデルのみをhide&splitし、鎖帷子のモデルだけの状態でmoveブラシを使ってすこし調子を整えます。↓
この工程を他の必要なパーツの箇所に施していきます。
※何度も言いますがベースメッシュの大きさが重要ですので最初に作成した大きさや数を間違えないように注意してください。↓
次にこの鎖帷子に繋がる小さいパーツのベースメッシュを全てMAYAで作成し、UVをとります。↓
※兜をつ作った時にも書きましたが、凹凸部分は、エッジのスペキュラーをよく観察してベベルの本数と太さを見極めてください。
完成したらパーツを全てzbrushにGOZします。
次にリファレンスにあるような印が押されたレリーフのアルファを作成します。
パスを使ってきれいなレリーフというよりも、手彫りの印のようなイメージですので手描きのややいびつな感じで作成しておきます。
※アルファは16bit以上で作成します。
作成したらzbrushの中のアルファに読み込みドラッグレクトでそれぞれ必要な箇所に
スタンプしていきます。
全てにレリーフを押したらリファレンスを見ながらさらに手彫り感を出していきます。↓
完成したらこの段階でDisplacementMapと、NormalMapを書き出します。↓
※NormalMapは別途使用します。
マップを出力したらあるべき場所にそれぞれのパーツをはめ込んで行きます。
また、腰、脚の鎖帷子も同じように、追加パーツを作成し、必要ならIMMブラシを活用しながら衣服の上に配置していきます。↓
(鎖帷子パーツが入る穴は大変細かいのでノーマルマップで穴が開いているように見せる予定です)
全て当てはめたら少し鎖帷子の調子をイレギュラーに動かして、見た目の不自然な感じを整えます。
また鎖帷子の上についている他の細かいパーツも同じように作成すれば、鎖帷子のパーツはひとまず完成です。↓
最後にDisplacementMapの設定と、コールドの仮のシェーダーを作成、アサインしてレンダリングします。
こういった細かい作業は簡単に説明していますが、結構骨の折れる作業です。細かい視点とスケール感を保ちながら制作していくことと根気よく制作していくことが大切かと思います。
ひとまずここまでできれば、あとは肩、胸、腰に装着する鎧と草鞋を作成したら全体のモデルは完成になります。(草鞋はすでに作成しました)
引き続き草鞋の制作の説明をしてまいります。
読んでいただきましてありがとうございました!