[戦国武将13] 鎧のモデリングPart4 -袖・胴・草摺(腰)のモデルを作成する-

 

こんにちは!越智光進です。

前回までは衣装に装着する鎖帷子と草鞋の制作についてご説明しました。

今回は防具の類、兜を作った要領で袖、胴、腰の防具の制作を致しましたのでご説明致します。

基本的には兜の制作の延長ですのでそれに見習った制作になりますが、それぞれの装着物として、リファレンスを見ながらどういう構造をしているのか?(特に紐の類)。また、小物類等はどういったものが必要なのか?じっくり確認していきます。↓


 

まずは、大まかなシルエットモデルから作成を致します。

これまで作成したモデルの上に当てはめるのですが、いきなり折り曲げるような形状は作らず、まずは平面で合わせ作業をしながらバランスの良い形状を作成していきます。
フロントビューなどで作業すると良いでしょう。↓

※肩や腰のゴールドパーツは兜を作成した時のパーツを流用します。

 

また胸板、脇板、胴など、胸や背中の形状はかなり複雑な構造をしていますので、しっかりどういう中身なのか?どこで繋がっているのか?把握しながら全てパーツとして別モデルで作成します。
間違っても統合して作成しないように気をつけます。↓


 


 

ベースの形状が完成したら装着されている紐の類を当てはめていきます。
こちらも兜の時に作成した紐の形状を流用していきます。↓

 

紐の穴は開けたいのですが、ポリゴン数が果てしない数字になりそうなのと、解体するようなことはしないので、ここは妥協してノーマルマップで穴が空いたような感じに見せるために先にUVを取って穴のついたテクスチャーを作成しその穴の画像にそって紐か装着されるように丁寧に当てはめていきます。↓

※この作業が今回のキーポイントですが、ここの前準備を怠ると後々穴の空いた位置と紐の位置が合わなくなり、全て調整し直しというとても大変な事態になってしまいますので、手順をしっかり見極めて先読みしながら制作することが大切です。
よくモデリングをしているととりあえず作っちゃえ!という考え方で勢いで全て作りがちになるのですが、、こういうちょっとしたところの一手間が逆に制作コストを抑えるこのになるのでとても大切な制作パートです。

 


 

すべての紐の位置関係とランダムな形状の微調整をして全ての形状のベースが完成しました。
紐の装着の作業は基本Duplicateで配置、ランダムに形状変形という流れでいいのですが、とにかく数が多いので位置合わせも含めかなり苦労しました。↓

 

 


 

次に作成したベースの形状についているネジやその他のパーツを全て作成していきます。

 


 

まずはMAYAで必要な物全て作成し、スカルプトが必要なパーツはzbrushへ持っていきます。

 

↓写真のような穴の空いた形状をスカルプトで作成する時はブーリアンを使うのもいいですが、装飾系ですしそんなに難しい形状でもありませんので、Photoshopでアルファを作成し、zbrushのmake3Dをつかって押し出して彫るほうが早いと判断しました。↓

全て作成が終わったらZremesherからUV展開→DisplacementMapとNomalMapを書き出しておきます。↑

 

またこのような置物系に関しては、DisplacementMapは使わずDecimationMasterを使って減ポリしてそのまま使用するのもアリだと思います。↓

※UVは保持してください。

 


 

小物類の作成が終わったら、ベースで作成した形状をbend機能を使って丸め、ラティスボックスで回り込みの形状を作ります。↓

 

 

これらが完成したらいったんそれぞれの甲冑を袖、胴、腰、と装着させますが、必ず衣装がはみ出たりしますのではみ出た箇所はラティスボックスか、一度zbrushへGOZをしてはみ出し箇所を修正します。

もし甲冑の形状が確定していたらかならず衣服側のモデルを調整するようにしてください。↓

 

 

これで甲冑のシルエットまでが完成しました。↓

腰回りはMurvelousDesignerで作成しますが、簡単なシリンダー状のスカルプトを作っておきまして、途中で作成した小物パーツをそれぞれ配置していきます。

また、配置の統一感をなくしたり等、細かい修正は、次回の装着させる為の紐を配置した後に最終調整として行います。

長くなってしまったので今回はここまでに致しましますが、引き続き進捗は投稿してまいります

 


★追記!

先日MARIバージョン4.2が配布されました。
今回からmirrorProjectツールが追加され、ストレスフリーでシンメトリックに描いていくことが可能になりました、この機会にぜひお試しください。

 

 

それでは、読んでいただきましてありがとうございました!