[戦国武将25] 最終レンダリング -後書き-

こんにちは!越智光進です。

今回は最後の回ということで制作とは関係ありませんが、後書き的な事、ブログの感想などを書かせていただこうかと思います。
制作に関して考えてることや思っていることを僭越ながら述べさせていただいてブログの方を終了させていただきます。

 

 

※最初に私個人の考えではありますので、読まれて「いやそうじゃない、、」と思われる方もいらっしゃるかとはとは思いますが何卒ご容赦ください。。

まず、制作に時間がとてもかかってしまいブログがなかなか進まなかったことをお詫び致します。
当初は一年くらいの期間で終わらせる予定で始めたのですが、想定外で2年以上もの時間を掛けてしまいました。。
もともとひと月に時間が持てても休みを利用した3日程度でしたが、
どうしても仕事でブログ制作を見送って実制作を優先せざる得ない状況が多々出来てしまい酷い時は半年くらい何も出来ない時期もありました。
ちょっと言い訳ぽくなりましたが、、今回のブログの中を制作時間だけぎゅっと縮めるとおそらく3ヶ月弱くらいの制作期間だったと思います。

 

私自身、3Dというジャンルにおいては基本的にはなんでも作っちゃうタイプなのですが、なぜ今回戦国武将を作ろうかと思ったのは色々思いがありました。
ブログ書きませんか?と言われた時にちょうどすでに個人制作で取り掛かっていたという事もあったのですが、1番は人体を0から作るということを説明したかったの事が大きな要因です。(戦国武将というジャンルは個人的な思考です)
本当は個性的なモンスターなどの凝ったデザインのものを作るということも楽しい内容で見る方も飽きないとは思うのですが、、
最近のCG業界自体、人間を0から作ろうという人はとても減ったように思います。

ブログを書き始めて時間は経ってしまいましたが、最近ではスキャン技術の発達により、作らなくてもベースは出来てしまうので人体を0から理解するという発想をする人が少なくなってきたのと同時に、制作スピードやクオリティラインの向上に伴ってどうしてもそこに頼らざるえないのが正直なところでしょうか。
時代の流れとしては仕方のないことですし、現に私が制作した人体もスキャンモデルには到底かないませんのでその分の造形的なクオリティダウンは否めません。

 

ただ、私の考えは逆行してるのでは、、なんて思われるかもしれませんが、私の中では人間を作るというのはキャラクター制作の基礎を作る上で1番重要なことであると位置付けています。
私自身がアナログ出身という部分もありますが、CG制作も芸術の一つと考える私としてはとアナログ分野で人体デッサンが伝統的にあるようにCGのキャラクター制作においてもそこはとても重要であると思っています。

もちろん人物できないとキャラクター作っちゃいけないのか?というわけではありません。
人体は作りませんという方でも素晴らしい作品を作る方もたくさんいらっしゃいますし、センスのある方なんてこんなことを勉強してなくても見るだけで覚えてしまう方もいます。逆に理系に強い人の方がCGには向いていると言われるくらいですのであくまで個人の感想でそこまで頑なな考えは持っていません。
キャラクターというジャンルに特化した考えとしては、
お仕事でスキャンをしたモデルから制作する事があってもオペレーティングの中で結局は人の手が入るわけで、その時人体を作ったこともない、人体解剖学にも触れたこともないあまり理解をしてない人がそれを触るということはとてもナンセンスだということです。

そういう意味でもキャラクターを作る、作りたいならまず人物が作れるかどうか?人体デッサンしてますか?解剖学勉強してますか?という部分は私の中でその人を評価する上での1番重要なファクターとして考えています。

まとめると基本が全てという事なのですが、、例えば誰もが知ってる有名人をCGで起こしたとして、どんなに高い技術を駆使したところで似ていなければに厳しい評価になってしまいます。

そういう意味で「造形力」、いい変えれば「基礎力」というのは重要なんです。

ですので、これから若い方で、キャラクターを作りたいと思っている方がいたらまず人体デッサンをしたり、人体解剖学の勉強をする時間を作って欲しいなぁと本当に思います。
筋肉の構造を理解することによって他の様々なジャンルのキャラクター制作に活かすことができますし、物の見え方も変わってくると思います。

学生のうちは基礎がすべてなので、zbrush等でキャラクタースカルプトするならまず骨や筋肉の構造を理解していろいろなキャラクター制作に生かしてもらいたいです。基礎から上の応用は企業さん側がいくらでも教えてくれます。
と言っても、みなさん理想が高く飛躍してしまい評価されない作品が生まれてしまったという人もたくさん見てきました。
ですので、制作しててもうまくいかない、うまく作れないという方はまず長い目でみて基本に返った方が上達の近道になると思いますし、この世界は一生勉強だと思って制作してもらいたいです。

と、少し偉そうに話してしまいましたが、、私自身もいい作品を見ると今でも基礎に立ち返ることは多々あります。
絵の上手な方、スカルプトやモデリングの上手な方々は業界を見渡せばたくさんいらっしゃいますが、プロの方の中でも私のような考えに共感してくださる方が1人でもいたら嬉しく思います。

 


もう一つはMARIの説明をするという目的がありました。
あまりいい説明が出来なくて本当に申し訳なかったのですが、、
最近のテクスチャー作業はSubstance使ったりMARIを使ったりと、仕事によっては選ぶに選ばせてくれない事も多いです。
そこは仕方ないのですが、やはり今の考え方としてはゲームはSubstance、映像はMARIという考え方に近いのと、肌はMARI、鎧や衣装などはSubstanceと考ている方が多いのが一般的でかな?と。
私は別ツールでMaskデータを取って結構MARIでガツガツやってしまう方なのですが、これもマシンスペックやプロダクションさんの考えで全く違いますので臨機応変に対応をしているのが正直なところです。
ただ映像をやりたい方にとってはMARIは必須ツールではあると思うので勉強することをお勧めいたします。
Photoshopをしっかり覚えたらその3D版と思ってもらえるととてもわかやすいと思います。

あとMARIはデータが重いとよくいわれますが、同じUDIM数やレイヤー数、解像度の範囲でSubstanceの方が軽いかというとやはりそれは同じですので、こればかりはGカードの性能を上げるしかないのは快適に3D上でテクスチャーワークをする上では仕方のない事かなぁと思っています。

ただベイク等の処理速度はSubstanceの方が早いのでやりやすさを感じる部分があると思います。

 

※MARIに関しましては今後またオンラインセミナー等でお話しさせていただく予定ですのでまた改めてこの武田信玄を制作した過程は動画でご説明できたらとおもっております。


 

そんな気持ちを元に今回のブログを書かせていただきました。
ブログを書きながらの感想としては、文面を考えながら、そして説明しながらというのはとても難しなぁと思うのと同時に、細かく砕いていくと説明する事があまりに多過ぎて、正直私の中のフローの半分以上も説明しきれませんでした。(それでも文章での説明としては中身は濃い内容になっているとは思います。)
1つ残念になってしまったのはこの2年の間に最近は動画の方が主流になってしまい文章の説明がやや時代に取り残されてしまったことでしょうか^^;
こんなに時間を掛けて一つものもを作った事もありませんでしたし、説明を考えながらの制作も始めてでしたがこのような形での制作の見せ方としては多分最初で最後だろうなぁとも思います。
それだけに本当に無事に終わってホッとしてます。

 

CGのフローは時代の移り変わりが早く激しいのでこのブログ自体もいつまで参考になるのか?もうすでに最先端ではないかもしれません。

ただ制作において、根本的な大切な部分はどんなに技術が進歩しても変わらないと思います。

どこかで誰かがこのブログを見つけてもらって読んでいただけて1つでもお役に立てる事がありましたら幸いです。
この武田信玄自体はひとまずブログでは完成という形をとらせてもらいますが、時間を見つけて皮膚感などはさらに向上できるようにアップグレードできたらなぁとは思っています。

 

相変わらず制作時間なかったのですが、軽くポージングをとって細かい造形やマテリアルの調整、ライティングの変更、最後の少しだけコンポジットをして最終的に現状のような形になりました。↓

 

 

 

-備考-

MARIでのUDIMの総パッチ数は66

総テクスチャー枚数はMaskマップの含め4Kベースで553枚でした。


 

私も気が付いたらフリーランスになって20年経ちました。
羽陽曲折、まだまだ未熟者です。

初心は忘れる事なくこれからも制作に邁進していきたいと思っております。
長いこと関わってくださった、インディーゾーンのスタッフ皆さん、FOUNDRYの皆さん、本当にありがとうございました!

 

そして、この度は最後まで読んでくださいましてありがとうございました!