[戦国武将21] MARIでテクスチャーを描くPart4 -衣装のテクスチャーを作成する-

こんにちは!越智光進です!
 
前回は鉄の質感について途中までお話しをしてきました。
diffuse reflection glossと各ベースの要素を作成しましたが、今回はIORマップと、Anisotropyマップの作成をしてレンダリングまでしたいと思います。
 
 
 

IORに関しては前回すこしご説明しましたが、概念を理解すれば作成自体はそんなに難しい事ではありません。
まずは簡単に説明と題してマップを描いてレンダリングしてみます。
質感別に32ビットのホワイトベースのテスクチャーを用意するか、8bitのマスクマップを作成してMAYAのBlend Color内の数値でメタリックの質感を設定していきます。
 
例えば今回の兜パーツの中では、、
・fablic系のパーツや、ニス塗りされた赤マスクのパーツは通常の1.52-1.6
・金粉のゴールドのパーツは8-10
・縁の金色に見えるメッキや小物パーツはメタル感が強いので12-15
くらいかな?
という想定のもと各マスク内にその数値で塗りつぶしをします。
本来はマックスは100なのでもっと数値が高くてもと思ってしまうのですが、これはCGの方での仮想設定数値になりますが20以上の設定をしてもレンダリング結果はほとんど変わらないので鉄の質感のMAX数値を20に設定していつも計算しています。
この辺りは仕事の中で詳しい方から教えていただいたり経験則からでた発言ですが、、。↓
 
 
32bitで作成する場合はホワイト1.0以上の数値が入るため視覚的にはすべて白に見えますがスポイトツールで選択すると数値がしっかり入っているのがわかります。
 設定したら、一度テクスチャーをエクスポートしてvrayマテリアルを用意、Reflection、glossの設定をし、IORに画像をアサインしてレンダリングをします。↓
 
ひとまずですが上図のようなイメージになりました。
数値を上げて調整すればメタリック感が増すのがわかります。
この数値をまずは決定させながら質感を詰めていきます。
8bitのテクスチャーしか使えないという場合も、mayaの中のBlend Colorを使ってパラメーターの数値を設定してあげると32ビットと同じ内容の設定ができます。↓
 
また、BlendColorを使用する際に1つのUVマップの中に3つ以上の質感がある場合、MAX値から何パーセントグレーに落とすかしっかり計算した上でマスクマップを作成してください。
例えばBlendColorを使うなら鉄感のMAX値を10.0にした場合、それ以下の鉄の質感がある場合で30%くらい質感を落としたいと思ったら、グレー70パーセントの色をそのUV上に配置します。
(32bitでの作成の場合はMARI上で7.0のホワイトを載せることになります)↓
 
もちろん1回でうまくいかないことがほとんどですので、何度か設定を試行錯誤しながらいい数値を見つけていきます。
 

次にAnisotropyの設定をします。
Anisotropyは鉄が研磨された時の光沢の流れのような?言葉で表現するのは難しいのですが、光の筋を表現する設定です。普通に略すと異方性、異等方性という意味ですが、
例を挙げるとしたら刀によくある縦と横の流れ、人によって研磨されてできた鉄の流れの変化が生じている部分など必ずAnisotropyを設定します。↓
 
 
 
Anisotropyには強さと角度の設定があります。
強さは筋の流れの強さをどこまで表すか、強ければ強いほど筋が細くなり流れの筋が強調されます。
角度はその筋の向きを数値で表現します。 
グレースケール0.5で90度移動になります。
もしUVの中に流れの向きが違うオブジェクトが存在したらマクスマップを作成して流れを操作します。
またヤカンのふたやボタンにあるような放射線状のAnisotropyもそれ専用のテクスチャーを用意して別途マクスマップとしてつかいます。↓
 
 
マスク設定が簡単な場合はフォトショップでサクッと仕上げた方が効率はいいと思います。↓
 
設定したら一通りの一連のテクスチャーワークは完了です。
もちろんここからさらに質感を詰めるための微調整を繰り返します。↓
 
この一連の工程がシェーダーごとに発生し、それぞれ質感にあった調整をしていく流れになります。
 

 
今回ご説明している内容はMARIの基本的な使い方を兼ねたテクスチャーの描き方です。
もっとたくさん機能があって勉強しても足りないのですがすべて覚えないといけないわけでもありません。
UDIMの数が多ければ多いほど作業コストがかかるだけですので、可能な限りMARIでのテクスチャー作成をお勧めいたします。
次回は体のパーツや、武器等、すべての質感を仕上げてまいります。
 
 
今回も読んでいただきましてありがとうございました!