NUKEのMac OS X El Capitanにおけるビューアパフォーマンスの不具合について

概要

Mac OS X El Capitan (OSX 10.11)でNUKEをご使用の場合に、NUKEのViewerでいくつかのパフォーマンスの問題が発生することがあります。

こちらの記事では、これらの問題を回避するために、NUKE 10の中でいくつかの実験的な不具合の修正を適用する方法についてご紹介します。

 

詳細

OS X El Capitanがリリースされてから、(Rotoのウィジェットやトランスフォームのジャックのような)オーバーレイエレメントを移動またはズームするときに、ビューアのパフォーマンスに問題が見られるようになりました。The Foundry社はNUKE 10がリリースされる前にこれらの問題を修正するよう取り組みましたが、残念ながら、修正は簡単ではなく、NUKE 10のリリース時に他の不具合を発生させずに安全に修正することはできませんでした。

不具合の修正作業は進行中ですが、このような未解決の問題により、現時点においてEl CapitanはNUKEの正式な対応プラットフォームではありません。これは、NUKEチームにとって優先度の高い問題であり、開発側は今後のメンテナンスリリースにて解決できるように引き続き取り組んでいます。

現在、El Capitanで発生している問題は、NUKE 10に対して以下の2つの環境変数を設定することで現段階の修正を有効化することができます。

尚、これらの環境変数の有効化は実験的なものとなります。そのため、制作に使用する必要がある場合にはご注意ください。

開発者がこれまでに施した変更点は、Nukeを実行する前に次の環境変数を設定することで有効化できます。

NUKE_USE_FIXED_UPDATE=1

また、ビューアのウィジェットが再描画される速度を加速するために、次の環境変数も設定できます(60が設定可能な最大値となり、60以上を設定してもそれ以上の向上は見られません。):

FN_UPDATE_OVERRIDE_FPS=30

 

環境変数の設定方法

NUKEの1回のセッションでこれらの変数を検証するには、まずターミナルで変数を設定して、その後、同じターミナルから次の手順でNUKEを起動します。

  1. ターミナルアプリケーションを開きます。
  2. 次のコマンドを入力します。
     

    export NUKE_USE_FIXED_UPDATE=1

     

  3. [Enter]キーを押します。
  4. 同じターミナルから次のコマンドを実行して、NUKEを起動します。以下はNuke 10.0v4の実行例です。
     

    /Applications/Nuke10.0v4/Nuke10.0v4.app/Contents/MacOS/Nuke10.0v4

NUKEXを起動したい場合は「–nukex」を最後に付けます。NUKE STUDIOであれば、 「–studio」を追加します。

NUKEを起動する前に、同じ手順で2つ目の環境変数を設定してください。

注意:この方法は同じターミナルウィンドウから起動したNUKEセッションだけに変数を設定します。一度ターミナルウィンドウを閉じると環境変数は削除されますので、新しいターミナルウィンドウで再設定する必要があります。

 

※参考リンク