MARI 3で旧バージョンのプロジェクトを読み込む

Mari 3.0またはそれ以上のバージョンで導入されたOCIOおよび色管理の概念によって、旧バージョンのMariで読み込んでいた古いアセットをMari 3.xへ同じように持ってくるにはどのような設定をすればよいのかを見出すのが難しいときがあります。

今回の記事では、旧バージョンと同じ色情報を残しつつ、古いバージョンのアセットをMari 3.0またはそれ以上のバージョンに持ってくる方法を、順を追って説明します。

 

※Mariのバージョンを変更する場合、新しいバージョンにプロジェクトを変換するときのデータ破損を避けるために、常に事前にプロジェクトのアーカイブを取ってバックアップしていただくことをお勧め致します。

旧バージョンのMariでは、カラースペースという概念が実在しませんでした。バージョン2.0ではチャンネルのビット深度によって色を管理していました。デフォルトでは、8ビットのチャンネルはsRBGに設定され、16および32ビットのチャンネルはリニア(Linear)で設定されていました。

Mariのバージョン3.0またはそれ以上では、色管理(Color Management)の概念が導入されることによって適切なカラースペースが設定できるようになりました。

 

古いバージョンのプロジェクトをMari 3.0またはそれ以上のバージョンに読み込むとき、[Raw Data]のフラグがチャンネルやImage Managerの画像に設定されます。これは即ち、これらのチャンネルや画像に対してカラーの変換が適用されないことを意味します。

mari_colordata_option

これらのチャンネルや画像を変更したくない場合、上述の設定で特に問題はないため、そのまま新しいプロジェクトとして作業できます。

もしも16または32ビットでペイントしていた場合、チャンネルはリニアとして扱われます。この場合、Mari 3.0またはそれ以上のバージョンのデフォルト作業カラースペースはリニアとなるため、古いプロジェクトを読み込むときに何もする必要はありません。

しかしながら、バージョン2.0でsRGBでペイントし、レイヤースタックの中にsRGB2LinearのAdjustment (調整)レイヤーのような構造が含まれる場合、次の2つのオプションがあります。

  • sRGB2Linearの調整レイヤーを削除し、[Raw Data]のチェック項目を外して、カラースペースをsRGBに設定します。こうすることで、MariはsRGBからリニアカラースペースへの変換を自動的に適用できます。
  • [Raw Data]にチェックを入れたまま何もしません。するとMariはカラーの変換を行わないため、既存のsRGB2Linearレイヤーが必要な変換を行います。

 

補足

旧バージョンのMariからインポートしたプロジェクトのレイヤーを使いたいときは、編集したいチャンネルまたは特定レイヤーの[Raw Data]フラグの設定を解除してください。そうしなければ、結果が一致しなくなる恐れがあります。

 


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