MARI FBX対応について

前回のMariの記事に引き続き、今回はFBXファイルの対応について説明致します。

FBXファイルにはジオメトリ(頂点やパッチ)、マテリアル、テクスチャ、アニメーションなど、いくつかのエンティティを含めることができます。リグをベイクして頂点に関連付けるポイントキャッシュ形式であるAlembic形式とは対照的に、FBXファイルはこれらのエンティティをFBXノードにエクスポートします。これにより、必要に応じて元データにアクセスしたり操作したりすることができます。

 

FBXサポート

Mariは.fbxファイルからカメラやジオメトリ、アニメーションをインポートすることができ、.fbx.abcファイルを同様に読み込めます。また、参照したファイルのシーンデータはNew Projectダイアログで同じツリーウィジェット形式で表示されます。Alembicファイルと同様、FBXのGeoEntityはポリゴンメッシュとサブディビジョンで作成され、プロジェクタはインポートしたカメラで作成され、選択セットは面セットとポリゴンメッシュに割り当てられたマテリアルから作成されます。

現在のMariバージョン(3.3)のFBX対応には以下の内容が含まれます。

  • ポリゴンメッシュとサブディビジョンからGeoEntitiesを作成します。
  • FBXのフェースセットとポリゴンメッシュマテリアルからMariの選択グループを作成します。
  • インポートしたカメラからプロジェクタを作成します。
  • アニメーションテイクを選択して、MariでGeoEntityにアニメーションを適用します。
  • 選択したジオメトリとカメラからキーフレームアニメーションをインポートします。
  • オブジェクト階層とアニメーションのトランスフォームをインポートします。
  • 選択したジオメトリにFBXデフォーメーション(スキニングメッシュとブレンドシェイプ)を読み込みます。
  • FBXプロジェクトの作成や、オブジェクトとカメラの読み込み、アニメーションテイクの管理、そしてインポート/エクスポート機能に対してPythonを紐付けられます。詳細は[Python]メニュー > [API]からアクセスできるPython HTMLドキュメントを参照してください。

FBXサポートの制限事項

MariはFBXファイルの全ての機能に対応しているわけではありません。ファイル形式に含まれるいくつかのエンティティは、Mariで取り扱えないもしくは制限されます。

現在のMariバージョン(3.3)におけるFBXの制限項目は以下のとおりです。

  • ジオメトリを含むポリゴンメッシュとサブディビジョンジオメトリ、カメラ、そして任意のトランスフォームまたはグループノードしか読み込めません。NURBS、パッチ、マーカー、ロケータ、ライト、カーブはMariに読み込めません。
  • メッシュに対してスケルトンデータ(即ち、ジョイントやボーン及びそれらのトランスフォーム、キーフレームアニメーション)しか読み込めません。Mariは、より高いレベルのIK/FKソルバアシステムを読み込めません。

補足:モデラー専用のソルバアニメーションデータをMariに持っていきたい場合は、スケルトンにIF/FKアニメーションをベイクしてから、そのメッシュとスケルトンをMariへエクスポートする必要があります。

 


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